中三になる頃にはギターもかなり上達したし、ブラバンのほうもコンクールでいい所まで行く様になっていた。
ところが、我が師匠マサミチャンは本来のフウテンぐせがでたのか突然居なくなってしまった。僕としては家出した猫のようにそのうち帰ってくると思っていたのだが、プッツリとなんの音沙汰もなくなった。しょうがないので同級生のお兄さんがやっていたバンドに参加させてもらって、週一ぐらいでミュージックパブでギターを弾いていた。 
そんなこんなで居なくなったことも忘れかけた夏休みのある日、マサミチャンが突然現れた。ニコニコしながら彼は「マサキチャン、ギターを持って一緒に行こう!」僕は何も考えないでついていった。彼は福井市内のダンスホールのバンドでキーボードを弾いていて、僕にギターを弾かせるために迎えに来たのだった。
水商売の店には馴れている僕にも、ダンスホールで演奏するというのはかなりの違和感だ。特に丸坊主のぼくには、、、
かなり年配のベースの人がバンマスで優しく「よろしくね!」
その言葉で緊張がとれた僕はがぜん張り切るのだった。
そしてショーが始まった。最初に渡された譜面は「夢は夜ひらく」。カウントがなり、女性ボーカルが歌い始め、僕は必死に譜面を追いかけた。
そして2コーラスが終わりかけた頃、バンマスが近寄ってきて「次 ギターソロね」「え!?、、はい」
どうにでもなれ!とばかりにアドリブソロを弾きまくった。
そのあとはよく覚えていない。気持ちよさと興奮の中でワンステージが終わった。中学生の僕は夜遅くなれないのでそこまででセッションを終えることになった。
メンバーの人たちが握手してくれ、バンマスが夢のような話をしだした。彼は福井に帰ってくる前、大阪でプロのベーシストとして活躍していて、有名なジャズオルガンの人(当時の深夜番組で演奏してた)と一緒だったらしいのだが、もう一回大阪にもどって新しいバンドをやりたいので一緒にこないか?という話だった。
僕はもう映画の主人公だった。天にも昇れたろう。そして「おつかれさま」と五百円をもらった。宝物の五百円札、、、、、、、、。
僕の人生はこの時決まった!。
家に戻り両親に相談したら、当たり前の様に怒鳴られた。
家出しようと思ったが、とりあえず寝た。
朝になり思った。『おれはまだ子供だったんだ!とりあえず高校に行こう」と。。。