No.17米軍キャンプ 「うれしかなしき極東米軍基地」
年が明けてキャンプバンドの仕事が本格的に始まった。東京近郊の様々なキャンプに行ったのだが、場所によっては曲目も変更しなくてはならず、40〜50曲のレパートリーでは足らず絶えず新曲を増やし続ける必要があった。徴兵で来たばっかりの兵隊さんたちの前では流行りの洋楽だし、将校クラブではスタンダードナンバーだし、時には知らないおばさんカントリー歌手のバックも務めなくてはならない。しかし、僕たちのように洋楽を目ざすバンドにとってお客さんが全てアメリカンというのはとっても刺激的で、年も近いのでイイ反応を貰えた。しかし冨士のキャンプのように明日ベトナムに出兵するかもしれない若い兵隊のいるキャンプは大変だった。白人の兵士はCCRに代表されるカントリーロックをやってくれというし、黒人兵はソウルやR&Bをやってくれといってカマボコ兵舎の中で取っ組み合いのケンカが始まるのだ。でもそう言う時は何故かサンタナをやれば治まったものだった。ラテンロックおそるべし!!時にはNY出身のDJをやっていたという黒人兵がドラムを演りたいというのでステージに上げてみたら、めちゃくちゃリズム音痴だったりする。横田基地に行った時などは、いきなりキングストントリオの前座だったりもした。基地に向かう途中にFEN放送を聞いていると、DJが、どこそこでこんなバンドが出演するという紹介が始まると「コレ俺達じゃねーの」と大騒ぎ。でも演奏が終わってハイエースが到着するのは、真夜中の横浜駅。僕は始発電車を当時150円でオールナイト居座れたピンク映画館で待つのが常だった。

